気腫性肺疾患
肺の表面の胸膜が弱く風船のように膨らんだ肺嚢胞・ブラが破れ、肺がしぼんだ状態を気胸といいます。自然気胸、肺気腫による気胸、月経随伴性気胸などあります。
自然気胸は細身の若い男性に多く、中高齢者の肺気腫や間質性肺炎などの肺疾患を持つ患者さんにも起こりやすい病気です。女性では月経に伴った気胸が起きることがあり、月経随伴性気胸と言います。
治療は胸の中に細い管(胸腔ドレーン)を入れて空気を外に出します(ドレナージ)。
空気漏れが止まらない場合、
- 胸膜癒着術:胸腔ドレーンから胸腔内に自己血や胸膜癒着剤を入れます。
自己血癒着術:自己血を50ml採取して使用します。
胸膜癒着剤:タルク・ピシバニール・ミノマイシンなどあります。 - 気管支塞栓術:気管支鏡により空気漏れの原因となっている気管支にシリコン製の詰め物(Endobronchial Watanabe Spigot: EWS)をします。
- 手術療法:胸腔鏡下ブラ切除術:手術により胸腔鏡を用いて肺嚢胞を切除する手術
胸膜被覆術:破けた胸膜を補強する方法
などがあり、患者さんの状況により治療を進めていきます。